【レポート】意思決定インテリジェンスの基礎、意思決定支援とAuto Insights #alteryx23
こんにちは!アライアンス統括部のikumiです。現地時間2023年05月22日(月)〜2023年05月25日(木)に米国ラスベガスで開催されたAlteryxの年次カンファレンスイベント「Inspire 2023」。今回クラスメソッドからは計6人のメンバーが現地参戦してきました。
本記事では、5/25に行われた「意思決定インテリジェンスの基礎、意思決定支援とAuto Insights」のセッションについて、その内容をお届けいたします。
セッション概要
- セッションタイトル
- Decision Intelligence Foundations: Decision Support and Auto Insights
- スピーカー(敬称略)
- Peter Martinez, Sr Product Marketing Manager, Alteryx
- Pat Hottovy, Sr. Business Intelligence Analyst, JANUS HENDERSON INVESTORS
- Jessica Rubin, Sr Analyst, Distribution Strategy and Competitive Insights, JANUS HENDERSON INVESTORS
- Julie Pepe, Business Intelligence Analyst, JANUS HENDERSON INVESTORS
- 概要
- より適切な意思決定を、大規模に行います。データの専門家だけでなく、誰もがより良い意思決定のための分析を行えるようにすることで、データドリブンな組織となることができます。
セッション内容
意思決定インテリジェンスとは
- ガートナー社の定義によると、意思決定インテリジェンスとは、複数の高度な分野を統合して、チーム全体で意思決定モデルとプロセスを設計、調整、実行、監視を実行する、実用的な意思決定のフレームワークです。
ビジネスインテリジェンス(BI)との違い
- 意思決定インテリジェンスは確かにビジネスインテリジェンスと似ています
- その違いについて説明します
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ビジネスインテリジェンス
- 過去のレポートや視覚化の最適化に重点を置いている
- 事前に定義した質問に答える
- 人間による解釈が必要となる
- 意思決定インテリジェンス
- 過去のパフォーマンスと状況に応じたパフォーマンスを統合することに焦点を当てる
- 何が起こったか・なぜ起こったかを把握し、意思決定のために最適化される
- つまり、BIは何が起こったかに焦点を当てていて、意思決定インテリジェンスは何が・なぜ起こったか・次に何が起こるかを知る必要があります
なぜ今、意思決定インテリジェンスが重要になるのか
- 毎年30億件の意思決定が行われている
- 有効な意思決定と、財務実績には95%の相関関係がある
- 非効率な意思決定には年間2億5000万ドルの無駄な消費が発生している
意思決定インテリジェンスの成熟ステップ
- 意思決定はまずアラートや分析を通したサポートから始まる
- データ探索を通してより最適な意思決定を行う
- ここで重要になるのは、意思決定の大半はまだ人工知能でなく人間によって行われるということ
- 次のステップは意思決定の拡張。ここに進むと、次のアクションや予測を人工知能から推奨される場合もあります
- 人工知能から推奨されるアクションを受け取り、最終的に人間が意思決定を下していく
- 最後のステップは、意思決定の自動化
- ここでは、意思決定と実行の両方をマシンインテリジェンスから受け取る
- しかし実際には、重要な意思決定の前では人間の介入が必要になると考えています
- なぜなら、組織の重要な意思決定は非常に複雑なので、マシンインテリジェンスは意思決定のサポートに留めておくのがベター
インサイトのための方程式
- インサイトを得るには、重要な3つの要素があります
- 文章化された信頼性のある観測結果
- コンテキスト化とコミュニケーション
データの関連性や信頼性を自分自身で発信していかなければならない - 根本原因分析
組織の主要な指標を確認し、根本の原因を探っていく
- これらを共通の課題として細分化してみます
- 文章化された信頼性のある観測結果について
- 企業はこれまで、データの品質管理やガバナンスに取り組み投資してきた
- しかし、多くの人にとって完璧ではなく、継続的な課題となる
- 根本原因分析について
- 適切な根本原因分析を行うことの難しさは、様々な指標の相関や因果関係を分析するために、膨大な時間とスキルの高いアナリストが必要になるという点
- コンテキスト化とコミュニケーションについて
- データを理解し、ストーリーを組み立て、配信していく。しかし、インサイトを実行に移すには時間が足りません
- ここで言いたいのは、この最後の2つのステップを支援するのに機械学習と自然言語処理が役に立つということです
根本原因分析をサポートする技術
- AlteryxのAuto Insightsでは、根本原因分析をサポートする機能が確立されています
Auto Insightsの活用事例
- JANUS HENDERSON INVESTORS社から3名の方がゲストスピーカーとして参加していただきました
質問:データドリブン文化を構築するにあたってのボトルネックは?
- Pat Hottovy氏
- データドリブンな文化を作りたいのであれば、リーダーシップを持って進めることが重要
- 実際にデータを掘り下げて、ビジネスのための意思決定を下すリーダーが必要
- また、データの信頼性を確立するためにデータの一貫性も必要で、同じものに対して複数の値を示すレポートは基本ない
- Auto Insightsの予測モデルも同様で、各指標が何のデータであるかを定義して機能するようにしなくてはならない
質問:Auto Insightsが意思決定に与える前後の影響はなんですか?
- Jessica Rubin氏
- 当初は、顧客が分析したいユースケースを持参し、時間のかかる分析やダッシュボードに力をいれて、そこからアドホックな分析が始まっていました
- Auto Insightsが導入された後は、Auto Insightsからインサイトを受け取り、そこからさらに深堀ることで迅速にインサイトを得られるようになりました
質問:機械学習を活用するには、面倒なこともあったかと思いますが、どのようにツールを導入したのですか?
- Pat Hottovy氏
- 確かに私たちは機械学習の導入には当初懐疑的でした
- ただ、それは機械学習が本当はどんなものか理解していないだけで、関係者を含めながら時間をかけて理解をしていきました
- 例えば予測モデルでも完璧なものではないので、何が起こったかを理解し、繰り返し構築を行い、何がベストかをチームと協力しながら見つけていきました
質問:意思決定支援のアプローチにおいて次のステップに進むため、何かアドバイスはありますか?
- Julie Pepe氏
- 最初に、データの有用性や信頼性を担保するために品質の高いデータを用意する必要があります
- データが適切に用意されると、トップダウンでサポートを受けながら意思決定にはデータが必要だと認知させる
- そして、継続的なフィードバックを実施することでデータとビジネスの関連性を示していきます
- 最後に、人間の洞察力と機械学習の組み合わせて、最適化していけるとよい
最後に
Auto Insightsについては日本で販売されておらず実際に試すことはできないのですが、既存の分析の課題をサポートしてくれる非常に有用なツールだと思いました。私たち人間の知性や洞察力と組み合わせることで、正しい意思決定が行えるという点も重要ですので、ツールに頼るだけでなく、ビジネスを正しく理解して意思決定に活かしていきたいですね。